前回、マウスピース型矯正装置で行う治療は、お受けになる方だけでなく施術する歯科医師側も気軽にできて非常に取っ付きやすく感じることを指摘させていただきました。 そのため、とても重要な矯正歯科における診断、治療目標、治療計画について話し合うことがおろそかになる可能性があるのだと思っています。 当然ですがマルチブラケット装置(ワイヤーの装置)でも診断、目標設定、治療計画がきちんと行われていなければ同様に治療経過や結果の不良を引き起こす要因になってしまいます。 最近では歯科医師を介さずにマウスピース型矯正装置を販売するケースや歯科医師の診察がない状況でマウスピース型矯正装置での治療を進めるケースなど、歯科医師法に反するような悪質なケースも見受けられます。 もちろん治療としての歯科医師の診断、目標設定や治療計画そして治療経過の判断や対処などは行われませんので、ネットなどで安価な費用で勧誘しているようです。
ともかく、歯並びや咬み合わせを治したいとお考えの方は、すぐに飛びつくのではなく一度は矯正歯科を専門に行う歯科医師にご相談されることを強くお勧めいたします。そのうえご自身でご判断されるのであれば、マウスピース型矯正装置も一つの選択だと思います。
前回にもお示しさせていただきました公益的な矯正歯科関連の2団体からマウスピース型矯正装置について見解が出ていますので参考にしていただければ幸いです。
アライナー型矯正装置による治療指針 | 公益社団法人 日本矯正歯科学会 (jos.gr.jp) https://www.jos.gr.jp/information/guideline_aligner_pointer
本会の矯正歯科治療に関する考え方:矯正歯科治療のお話|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp) https://www.jpao.jp/10orthodontic-dentistry/1020thinking/post_112.html
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