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2021年03月09日の日記

矯正歯科の社会問題 その5 マウスピース(アライナー)型矯正装置
最近、マウスピース型矯正装置で行う治療の問題がよく聞かれるようになってきました。
マウスピース型矯正装置の治療ではお受けになる方も装置が見えず自分で着脱でき、気軽にできて非常に取っ付きやすく感じる方が多いのだろうと思います。
加えて、施術する側もコンピューター処理による高機能の装置で、矯正歯科の経験が浅くても治せるミラクルな装置と誤解された認識を持つ場合があるようです。

マウスピース型矯正装置も数ある矯正装置のひとつであって、当然ですが矯正歯科における診断、治療目標、治療計画を立て、装置による治療目標の違いなども含めて話し合い最終的に装置選択がなされるものです。
このように順を経てマウスピース型矯正装置が選ばれていない場合も多く、治療経過や結果の不良を引き起こす要因になっていると言えます。

また、歯や歯根を3次元に動かす中でねじり(トルク)の作用が矯正歯科治療には重要であり、かつ難しく、この動きに最も優れている装置が表側のワイヤー装置(マルチブラケット装置)と考えられています。
それで矯正歯科専門医院の主流装置になっているわけですが、マウスピース型矯正装置ではこの点で適応症にしたくないケースが本来あるわけです。

例えば、小臼歯抜歯ケースの場合などはマウスピース型矯正装置での治療の難しさから抜歯を避け、過剰に歯列を拡大し歯を削るなどして無理に並べようとした結果、前歯の前突や咬み合わせの不具合などを誘引するようなことが見受けられます。
ただし、当然ですがマルチブラケット装置でも診断、目標設定、治療計画がきちんと行われていなければ同様の問題が生じます。

確かにこのマウスピース型矯正装置による問題が多いのは、受ける側と施術側 両方にとって取っつきやすいことが起因していますが、矯正歯科専門の歯科医師でまじめに取り組んでいる先生の話を聞くとそんなに甘くないのがわかります。
通常の矯正歯科治療に精通している知識と経験があることは前提ですが、骨格、周囲筋肉、骨質や歯周組織の違いなど個体差による影響があるため、マウスピース型矯正装置の効果が予想と反している場合は、最終的な手段としてマルチブラケット装置に移行することも考えておく必要があるということです。

公益的な矯正歯科関連の2団体からマウスピース型矯正装置について見解が出ていますので参考にしていただければ幸いです。

アライナー型矯正装置による治療指針 | 公益社団法人 日本矯正歯科学会
(jos.gr.jp)
https://www.jos.gr.jp/information/guideline_aligner_pointer

本会の矯正歯科治療に関する考え方:矯正歯科治療のお話|矯正歯科専門の開業医団体「日本臨床矯正歯科医会」 (jpao.jp)
https://www.jpao.jp/10orthodontic-dentistry/1020thinking/post_112.html


2021年03月09日(火)   No.185 (矯正歯科ブログ)

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